私の母は昔からお祝い事がある時のごはんは、必ず杉のおひつに入れていました。以前はそのようなものにまったく興味がなかったのですが、今はおひつに入れたご飯のおいしさを改めて感じています。 最近、曲げわっぱのお弁当箱が欲しくなり、先日 大館まで買いに行き、ついでに作っている工場まで見学してきました。 工場に入るとまず、「ふぁーっ」と杉のいい香り3mmくらいに切った木を一晩水につけます。翌日80℃のお湯に浸けてからゆっくりと手で曲げていきます。形ができたところで1週間から10日間つるして乾かすそうです。 そして底板を付けてお弁当の形になったところでつなぎ目を山桜の皮で編んでいきます。これがまた大変な作業。普通の曲げわっぱのつなぎ目 この写真はこの道16年の伝統工芸士の女性の方のお弁当箱です。この方の技術がすばらしい。このつなぎ目が模様になっているのです。「いかに裏も美しく仕上げるか」がこだわりだそうです。さすが伝統工芸士!右が伝統工芸士の方です。 この時代に、すべてが手作業。お弁当箱1つ結構な値段ですがそれだけの価値があると思いました。そして何より使い込んで木が薄くなったら中に塗りを施してまた違う用途で使うことが可能だそうです。使い捨てではなく、良いものは手入れをしながら大事に使っていく昔の人の考えがここに残っていました。大切に使っていきたいと思います。 曲げわっぱの原材料は秋田天然スギ。現在は秋田で天然杉がない為青森など近県の天然スギを使っているそうです。杉の抗菌効果でごはんが傷みにくく、(これからの時期に役立ちます)また杉の柾目が余分な水分を吸ってくれるのでご飯がべたつかず冷めてもおいしさが保たれます。 お弁当を作ってみました。いつものお弁当がワンランクUPした感じ! ふたを開けた瞬間杉の香り。ごはんの余分な水分を吸ってくれ、でも硬くなっておらず、冷めたご飯がおいしい! 主人と娘にも交代で曲げわっぱに入れてあげたら同じく「さめてもご飯がおいしい」と言っていました。ここでも杉の良さを発見!!やはり天然のものはいいですね